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話題の映画”JOKER/ジョーカー”感じた違和感。【映画ネタバレ御免】

こんにちは、りぜろうです。

 

昨日、話題の映画”JOKER”観てきました。

面白かったんですが、個人的に感じた違和感がちょっとだけあったので書いとこうと思います。

 

感じた違和感

映画自体は面白かったです。ただ・・・

 

これ、多分年代的な理由なんでしょうけど、ジョーカー像がずれてました。

りぜろうにとってのジョーカーって、1989年公開版”BATMAN”でジャック・ニコルソンが演じたイメージだったんですよね。

 

いや、もちろんこういう映画って、それぞれの監督や脚本家によって細かい背景や設定は変更が加えられるのは当然なので、いいとかだめとかの話じゃないんです。

単に、りぜろうの脳内ジョーカーとずれてたってだけの話なんです。

 

 

 

それぞれのジョーカー像です。

※一部ネタバレあります。

”BATMAN”版ジョーカー

いかにもハリウッド版アメコミヒーローものという感じの映画。

1989年に公開された”BATMAN”

もう30年前か・・・

 

ティムバートン監督ということもあり、シリーズ作の中でも若干ファンタジックというかアニメチックな演出で、ところどころにコミカルなジョーカーも描かれてます。

そのコミカルな感じがまたサイコな感じでいいんです。

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ジャック・ニコルソン版ジョーカー

 

劇中、ジョーカーの素性が説明されるシーンがあるんですが、「頭脳明晰で成績優秀、化学と美術に造詣が深いサイコ」と語られてます。

これ、悪役としては最高にかっこいいパターンです。

 

もともと犯罪組織のナンバー2に君臨していて、ボスの女に手を出しています。

しかしそれをボスに感づかれ報復に罠に嵌められ、化学薬品の樽に落ちたことが原因であの姿になりジョーカーとして生まれ変わった経緯が描かれています。

 

そして、よく笑う

 

 

りぜろうのジョーカーのイメージはまさにこの”BATMAN”版のジョーカーだったんですよね。

頭脳明晰なサイコが不気味なメイクで笑ういかれた姿って、怪優”ジャックニコルソン”にぴったりの役でした。

 

 

”ダークナイト”版ジョーカー

コミック調で勧善懲悪なわかりやすい映画だった前シリーズとは打って変わって、重厚な人間ドラマになった新シリーズ版バットマン。

2008年公開”ダークナイト”

ジョーカーを演じたヒース・レジャーが公開前に亡くなったことで遺作としても話題になりました。

 

ヒース・レジャーの熱演で最も狂気を感じるジョーカーかもしれません。

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"ヒース・レジャー"版ジョーカー

 

ジョーカーになった経緯は謎。

作中で2回ほど自ら語るシーンがありますが、1度目の説明では「父親にしけた顔をするな」といわれてカッターで切られたと語ってますが、2度目のシーンでは「恋人のために自ら」と語っています。

どこまで本気かわからない不気味なキャラクターを象徴してます。

 

そして、このジョーカーあまり笑わない。

 

 

このダークナイトで印象的だったのはジョーカーがバットマンに向かってはいたセリフ

「俺はお前を殺さない、お前がいないと俺は完成しない」

 

ジョーカーがもつ悪意の狂気とバットマンの正義の狂気という人間の心に潜む表裏一体の2面性を表現してるセリフでした。

 

 

”JOKER”版ジョーカー

そして今作”JOKER”

内省的でまじめな青年がジョーカーに変貌する経緯が描かれます。

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ホアキン・フェニックス版ジョーカー

 

脳に軽い障害があり、笑いが止まらなくなるという病気を抱えながらも、同居する母親の面倒をみながら貧しい生活を送る主人公。

 

その同居する母の「どんな時でも人々を楽しませなさい」という教えを胸に、コメディアンになるという夢を抱き、ピエロの仕事に励んでいます。

 

人と違う自分に悩む主人公

彼自身うすうす気づいてたようですが、みんなを笑わせたいと思い努力をしてもみんなが笑うツボが理解できず苦悩する様子も描かれます。

 

 

しかし・・・ふとしたことから母自身が心を病んでいて母の話は妄想によるものだったこと、自分が実の子ではなく養子であったこと、自分の脳の障害は母の恋人による虐待が原因だったことを知り心が壊れてしまいジョーカーへとなっていきます。

 

そして、このジョーカーは笑いたくなくても笑ってしまう。

 

 

【JOKER感想】キャラもの映画の皮をかぶったドキュメンタリー映画

この映画には、バットマンも出てきませんしヒーローも悪役も出てきません。

 

心の病

親子関係

虐待

人と違う自分

貧困と富裕

 

日々のニュースに出てくるような現代社会の病巣的単語を並べましたが、どの問題もこのJOKERという作品内で描かれています。

このすべてを抱え耐えきれなくなってしまう主人公の心。

 

JOKERが誕生するラストシーン。

群衆がJOKERに共感し迎え入れるシーンが描かれています。

しかし、このシーン、本人の思いとは無関係に誕生したジョーカーという偶像に本人自身も戸惑いを感じています。

現代人の多くの人が抱える問題を具現化したJOKERの誕生です。

 

なんだか現代社会の病巣を描く社会派ドキュメンタリー映画を見ているような感じでした。

 

今回描かれているジョーカーは、頭脳明晰なサイコでもなく、秩序を破壊するような狂気の持ち主でもなく、貧しく問題を抱えながらもまじめに生きてきた青年でした。

 

 

本格派のいい映画でした。

 

 

JOKERというキャラを使わないでも成り立つ映画だなって思ったことと、ジャックニコルソンが演じた頭脳優秀なサイコジョーカーを脳内イメージしていたギャップが違和感の正体でしたっていうお話です。

 

 

ちなみに"JOKER"はR15指定です。