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【年末年始の恒例行事④】神映画”ゴッドファーザー”は家族の物語~Godfather PartⅢ

 こんにちは、りぜろうです。

 

朝、出勤前の車内から。

パキパキに凍ってるよ。本格的に寒くなってきたなぁ。

それでも今年はあったかいような気がしますが。

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前回の記事はこちら。

www.rezerou.com

 

年末年始の恒例行事も残すところあと一本となりました。

 

 

年末年始の恒例行事④神映画”Godfather PartⅢ”を観る

 

賛否両論の最終作PartⅢ

個人的にも前2作と比べると、ちょっとあれな感じが否めません。

蛇足だったかなぁ・・・。

その理由は記事内でおいおい。

 

重ねてきた罪の重さに苛まれ弱りきっていたマイケル

前作から20年後、ファミリーの力は盤石となり、絶大な権力を持つマイケル。

しかし、重ねてきた罪の意識にさいなまれ、心が弱ってしまっているさまが描かれて行きます。

 

だいたいこんな話

前作から20年後となる1979年。

ファミリーの勢力を伸ばしつつ組織の合法化への道を模索し続けた結果、ついにバチカンから勲章を授与されるほどの立場となります。

 

しかし、マイケルの心は重ねてきた罪の重さに耐えかね弱り切っており、甥ヴィンセントにファミリーのドンの座を譲ることを思い始めます

 

しかし、このヴィンセントに思いを寄せることとなるのが、ヴィンセントの従妹でありマイケルの最愛の娘メアリー

 

そんな中抗争が勃発。弱り切ってしまった自分の心ではファミリーを率いていくことは出来ないと自覚したマイケルは、娘メアリーをあきらめることを条件にヴィンセントに跡を譲る決意をします。

 

マイケルの傍にもう家族は誰もいない

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多額の金を積んだ結果とはいえ、バチカンから勲章をさずかるほどにまでなったマイケル。

ファミリーのドンとしての強大な権力とバチカンからの勲章という名誉を授かりながらも彼の心はこの20年ですっかり弱り切ってしまっています。

 

妹コニーの夫や実の兄フレドの命を奪ってしまったことをはじめ、重ねてきた罪の重さに苛まれ弱りつづけるマイケル。

慕われ続けた父ヴィトーの人生と皆が離れていく自らの人生を重ね合わせどこで自分の心は自分を裏切ったのかと弱音すら吐くようになっています。

 

ついには兄の命を奪ったことを告白し懺悔するまでになるほど弱っているマイケル。

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そして彼のもとから本当の家族と呼べるものたちは離れて行ってしまいます。

 

別々の道を歩み20年たった今ですら”あなたが恐ろしい”とおそれおののく元妻ケイ

 

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ファミリーの跡を継ぐことを拒否し父と距離をとる息子アンソニー。

彼は、叔父であり父の実の兄であったフレドの命をうばったのは父マイケルであることをわかっています

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兄の傍に寄り添いながらもファミリーの幹部のように振る舞う妹コニー

父ヴィトーは、家族であれ女性には決して関わらせることのなかったファミリービジネスに、マイケルの妹コニーはマイケルの助言者として深くかかわっています。

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家族を守るためにファミリーのドンとなったマイケルの傍にはもう家族と呼べるような最愛の守るべき存在がいなくなってしまっているんです。

 

ただ一人心からマイケルを愛してくれていた娘メアリー

そんな中で唯一、心からマイケルを愛してくれていた最愛の娘メアリー

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このPartⅢの肝となるのがこの娘メアリーだったと思うんですが・・・

 

演じたのは、ゴッドファーザーシリーズの監督フランシスフォードコッポラの実の娘のソフィアコッポラさん。

 

正直とても演技がお下手(;´・ω・)

 

このソフィアさん、のちに監督となっていい作品を撮ってらっしゃるんですが、それと演技の才能とはまた別ものだったみたいで。

いい感じで画面の緊張感が高まってきた時にこの方のシーンになると途端に見てる側の集中も途切れちゃうくらい、あれな感じの演技です。

 

当初、ウィノナライダーが演じる予定だったそうですが、なんかの都合でダメになり急遽この配役になったとか。

 

この配役、PartⅢが駄作と云われる理由のひとつになったんじゃないかと思います。

 

 

そして、この娘と恋仲になりつつファミリーのドンの跡目を考える甥ヴィンセント

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なんだか浅はかな感じがするこの甥っ子

 

従妹でありドンの娘でもある女性と恋仲になっちゃうような軽はずみな人を跡目にして大丈夫?

 

祖父のヴィトーは、自分の家族の女性たちにはいっさいファミリービジネスには関わらせなかったこととはひどく対照的になってます。

 

しかも・・・抗争が激化し自分にはもう無理だと判断したマイケルに”お前にファミリーを譲る、その代わり娘のことはあきらめろ”って言われたら、”はい、あきらめます”・・・って、なんだかひどく浅はかなドンだよなぁ・・・。

ファミリーの行く末は大丈夫かね・・・。

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そして、ファミリーを譲ることの条件に娘と別れることを迫った父マイケルの決断を知った娘メアリーもまたマイケルから心が離れていくことに。

 

 

そしてマイケルには誰もいなくなる

映画終盤、ついにマイケルが重ねてきた罪の報いをマイケル自身が受けることに。

 

 

マイケルの命を狙った銃弾が娘メアリーに。メアリーは絶命します。

号泣するマイケル。

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兄の命を奪ってまで守ったファミリービジネス。そのファミリーの抗争が最後に彼の最愛の娘の命を奪います。

 

 

 

映画ラストシーン。

誰もいない静かな庭先でひっそりと息を引き取るマイケル。

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彼の父ヴィトーが孫と遊んでいる最中に息を引き取った最後の姿とは対照的です。

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PartⅢは駄作だったのかという問題

正直、やっぱり前2作と比べると作り手の狂気みたいなものは薄いんですよね。

1作目のマーロンブランドや途中から憑依したかのようなアルパチーノ。

2作目でも憑りついたような演技をみせたアルパチーノとロバートデニーロ。

その狂気をPartⅢでは感じないのが正直なところ。

 

大人の事情で作られて大人の事情で妥協した面がたくさんあったみたいなんですよね。

 

キャストの問題

前2作で脇を固めていたロバートデュバルはギャラの兼ね合いで出演しないし、最重要キャラを任せるはずだったウィノナライダーも降板しちゃうし・・・。

 

マイケルを演じたアルパチーノでさえ、この後控えていた作品のために髪型をいじりたくないとかわがままいって、なんだか大工の棟梁みたいないまいち役にそぐわないスタイルで出てくる始末。

 

そりゃ前2作のような神作にはならないよね・・・。 

 

 

脚本の問題

強く優しかった1作目のドン・ヴィトー冷徹に組織を作り上げた2作目のドン・マイケルと比べると、3作目のマイケルは弱り切っているし、新たなドン・ヴィンセントはなんだか浅はかだし・・・

 

なんだかひどく中途半端なんですよね。

 

もともと監督のコッポラはこの3作目をPartⅢの設定にせず、”マイケルコルレオーネの死”というタイトルの映画にしようとして考えていて、重ねてきた罪の報いを受けるマイケルを主題にしようとしてたらしいです。

 

それが、紆余曲折の末あくまでGodfatherの続編という形をとった結果、PartⅢのヴィンセントみたいなよくわからないドン像が出来上がっちゃったのかも。

 

もし、当初の予定通りあくまで罪の報いを受ける弱り切ったマイケルということを描く映画にしていれば、Godfatherとは別物としてとらえられて主題通りの映画になっていたのかも・・・。

 

 

 

以上、3日間にわたってめっちゃ長文でつづってきました。

単なるマフィア映画じゃなく、家族の物語として綴られていることがGodfatherという映画が名作として語られる所以じゃないかなっていうことが少しでも伝われば幸いです。

 

 

 

あ・・・もちろん、マフィア映画です。抗争シーンもありますし権謀術数、謀略と裏切りが数々描かれてます。

ただ、その物語の背骨にはもう一つの主題として”家族”が描かれてるんです。

 

 

この3部作を観終わるとりぜろうの正月気分もおしまいです。

 

 

お正月、おわり。